【WEB連載】「私のピアサポート!」2025.5月号
- 北海道ピアサポート協会
- 5月6日
- 読了時間: 2分
今回の投稿者:小川賢一さん
タイトル:『私のピアサポート!』
小川賢一/札幌大通りカウンセリングルーム優しい詩(うた)代表
/北海道ピアサポート協会 監事
みなさんこんにちは。
私は以前にもこの記事を書かせていただき、今回は2回目になります。前回は、精神科病棟での患者さんとの関わりを通して、「疾患や立場に関係なく、お互いの思い次第でピアになることができ、支援する側にもされる側にもなれる。」ということを書きました。その実感は今も変わりません。
私はこの4月に、大学を退職して心理カウンセリングルームを開設しました。独立にあたり不安はありましたが、決断できたのは、来室してくださるクライエントさんとピアサポートしていけるという確信と、その相互作用がクライエントさんの回復や私自身の成長につながるという確信があったからです。
私自身も、受診こそせず自力で乗り切りましたが、今振り返ると明らかにうつ状態であった時期と適応障害の状態であった時期がありました。また幼少時からうっかりミスが多く、発達障害かと思うこともあります。さらに、大切な存在を自死で亡くした経験が3度もあり、それなりに当事者性を持ち合わせていると思っています。
また、高校時代から目指していた心理師の道に挫折し、民間企業に勤めた後に看護学校へ進み、看護師、大学教員を経て、公認心理師になれた経緯があり、これまで20年以上遠回りをしてきました。
この当事者性や遠回りの経験は、支援者としての私にとって間違いなく武器であり、支援に活かすことができれば、この経験は宝物になると信じています。来室されるクライアントさんは誠実で優しい方ばかりで、お話を聞かせていただくことが私の生きがいとなり、私自身も成長する機会をいただいています。ここには、支援者と被支援者という立場を超えた『ピアサポート』があると感じています。
ピアサポートとは、立場や肩書きを超えた、「人間同士」あるいは、「悩みながらも人生を歩んできた者同士」の支えあいなのではないか、という思いは今も変わりません。そして私にとって『ピアサポート』は、支援者として、それ以前に一人の人間としての自分を支えてくれる大切な相棒です。これからも様々な出会いの中で、『ピアサポート』を大切にしていきたいです。
