【WEB連載】「私のピアサポート!」2025.6月号
- 北海道ピアサポート協会
- 6月6日
- 読了時間: 3分
今回の投稿者:神野 唯史さん
タイトル:『豊かな変化を育むちから』
神野 唯史/熊本県に住むとある学生
何年か前にも投稿させていただいた事があり、今回で2回目の投稿となります。ご縁あってまたこうして機会をいただくことが出来、嬉しく思います。
最近進学のために札幌から熊本引っ越しまして、生活の為にと最近いただいているお仕事の一つが教育関係で、仕事の中では主に小学生や中学生との関っています。前職が障害福祉関係だったので、自分にとっては新しい領域でもあります。そんなお仕事としてはあまり関りの無かった分野であれこれ色々考えてやっている中で、最近影響力が大きいなと思うのが『子ども達同士の間で生まれるもの』の力です。
学校でお仕事をしていると子ども達の状況、例えば『学校に来れてない』とか、『落ち着いて教室で授業を受けれない』とか、そんなことが大人たちの間で子どもの❝問題❞として認識され、『じゃあ学校に来てクラスで授業を受けられるためにはどうすればいいか』なんて、大人たちの描く『こうあるべき姿』になるには、ということを支える為に何が出来るだろうかを考えたり、実際に会って『何が嫌で学校にこれないのかな、どうしたら学校来れるかな』と大人なりに子ども達の為を思って色んな対応を行うんですね。つまり支援とは大人が描く『こうあるべき姿』に持っていくための手段にもなっているということです。
でも最近大人があれこれ考えたことよりも、子ども達同士の触れ合いの中で自然と生まれる変化の方が大切なんじゃないかなと、ふと考えるようになりました。教育の分野の中では『居場所』というものへの注目が高まり、学校に行っていない子ども達がいられる場所として学校の内外で居場所が設置されるようにもなっています。もちろん場の見守りや管理者として大人もいて、自分もその一人として携わる機会も度々あります。来ている子ども達の話を聞いていると、同じくらいの年代の子どもと接しているからこそ生まれてくる気持ちの変化もあるようで、例えば校内で一緒に居場所にいた人が、クラスに入って過ごしている姿を見て自分もクラスに行く事を意識し始めたという生徒がいたり、『同じ趣味の人と話したい』という動機から今まで自宅から出る機会が少なかった子が居場所と呼ばれる所で同じ趣味の友だちを見つけて毎週そこに定期的に行くようになったり。
そういうのを見ていると支援職として自分が関わる事以上に、近い年代や同じように学生の身分同士の付き合いの中で育まれる変化の何と自然で豊かなことなんだろうと思いますし、そういった人達が出会う事の出来る機会を作っていくことが自分に課せられたものであるのかな、とも思ったりもするのです。
