【WEB連載】「私のピアサポート!」2026.3月号
- 北海道ピアサポート協会

- 4 日前
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【WEB連載】「私のピアサポート!」2026.3月号
今回の投稿者:かけるんさん
タイトル:小さなつながり、大きなぬくもり
私は、佐賀県唐津市在住のピアです。いわゆる、精神疾患の当事者です。
今でこそ、リカバリーカレッジSAGAの運営団体らしさSAGAの共同代表や、ピアサポートからつなどの活動をさせていただいていますが、ここに至るまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
以前の私は、引きこもりというよりも、ほとんど寝たきりのような状態で、先の見えない日々を過ごしていました。
少し説明しますと、リカバリーカレッジとは、精神的な困難を経験した人(当事者・ピア)、その家族、支援者などが、自分らしく生きるために、対等な立場で共に学び合い、リカバリーを育んでいく場です。
現在では、準備中のところも含め、日本各地に25か所以上あると推測されています。こうした場が全国に広がっていること自体、とても心強く感じています。
私のピア活動の原点は、「ピアサポートからつ」にあります。
今から10年ほど前、私は藁にもすがる思いで、市役所に電話をかけ、「ピアサポートからつ」の存在を知りました。
正直なところ、電話をかけるだけでも、とても勇気がいりました。それでも、思い切って連絡を取り、実際に足を運んでみることにしました。
そこには、想像していた堅苦しさはなく、和気あいあいとした空気が流れていました。卓球をしたり、何気ない会話をしたり、そこには“普通の時間”がありました。
そのとき私は、「ここなら、もしかしたら大丈夫かもしれない」と、心の奥で小さく息ができたような気がしました。そこから、私の人生における最初の“小さなつながり”が生まれました。
数年後、メンバーの方から、「みんなねっとの九州・沖縄ブロック家族会 精神保健福祉研修会 佐賀大会」が地元で開催されることを聞きました。迷いながらも、「行ってみよう」と決意しました。
小雪の舞う寒い日に、2日間、自転車で30分ほどかけて会場へ通いました。当時の私にとって、その行動自体が信じられないほど大きな挑戦でした。
講演を聴きながら、胸が何度も熱くなりました。「こんな世界があるのか」「こんなふうに生きている人たちがいるのか」と、心が大きく揺さぶられました。そして、勇気を振り絞って、講師の方に話しかけました。
今振り返ると、その一歩が、また新しいつながりを生んでくれたのだと思います。現在では、その方々とリカバリーカレッジの運営に関わらせていただいています。本当に、不思議で、ありがたいご縁です。
その後、講演を通してリカバリーカレッジの存在を知り、「ぜひ、私も関わりたい」「この場を広げていきたい」と、心から思うようになりました。そして、その想いは、今も変わらず続いています。
それからも私は、さまざまな形でピアサポートに取り組んできました。
入院中に書き続けていた文章を、「いつか本にしたい」という想いを胸に、実際に300冊の本として形にしました。
『あなたには生きていてほしい』というタイトルには、どんなに苦しい状況にあっても、どんなに希望が見えなくても、「それでも、生きていてほしい」という、私自身の切実な願いが込められています。
さらに、この本をもとに、絵本『飛べない鳥のかけるん』が生まれました。同じピアの方に絵を描いていただき、一緒に作り上げることができたことは、私にとって大きな喜びでした。
その後、私は作詞にも挑戦し、この詩に曲をつけてくださる方を広く募集しました。すると、思いがけず手を挙げてくださる方が現れました。
昨年12月に開催された「みんなねっとの九州・沖縄ブロック家族会 精神保健福祉研修会 佐賀大会」の懇親会では、その方の伴奏のもと、歌を披露することができました。あの瞬間、これまでの苦しさや迷いが、喜びへと昇華していくような感覚がありました。
こうして、小さかったつながりは、少しずつ、でも確かに広がっていきました。そして、そのつながりの中で、私は以前には想像もできなかったほどの“大きなぬくもり”を感じられるようになりました。
ピアサポートには、決まった正解はないと思っています。さまざまな形があっていいし、それぞれが自分なりの想いを表現できることこそが、ピアサポートの魅力ではないかと感じています。
もちろん、言葉にできない、表現しないという選択も、同じように尊重されるべきものだと思っています。
今回、こうしてピアサポートへの想いを形にできたことを、心からうれしく思っています。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
以下にみんなねっとの懇親会でもかけるんが歌った、「にじいろピース」を動画にてアップしていますので、よかったら見てください。QRコードになっています。




