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【WEB連載】「私のピアサポート!」2025.8月号

  • 執筆者の写真: 北海道ピアサポート協会
    北海道ピアサポート協会
  • 8月6日
  • 読了時間: 3分

【WEB連載】「私のピアサポート!」2025.8月号

今回の投稿者:森 希望さん


森 希望/活動サポーター 


 皆さん初めまして。4月から活動サポーターをさせて頂いています。森 希望です。

私は、場面緘黙症と発達障害の当事者です。高校生の頃「話したくても話せない」という事に気づいて精神科クリニックへ行き、ピアサポートと出会いました。

当時は、ほとんどの声が出なくて人と話す事ができず、身体が動かなくなる緘動もあり、スマホに文字を打ち込む事が出来ないこともありました。そこで出会った、尊敬で憧れている作業療法士(OTさん)との関わりの中でピアの可能性の大きさを感じることが沢山ありました。

OTさんは、いつも隣にいてくれて、優しく声をかけてくれました。

そして、あまり反応が出来ない私に沢山語りかけてくれ、交換ノートもしてくれました。そんなOTさんの姿や言葉、想いが「緘黙の世界に入ってきてくれている」「そっと隣に座って共に当事者になってくれている」と感じ、次第に「支援者」から「仲間(ピア)」に変化していきました。

 このピアの力は計り知れなくて、不思議と「できるんじゃないかな」「やってみよう」という気持ちになり、不思議とできてしまう。成功体験になり、自己肯定感や自己効力感が上がる。そして、「できるんじゃないかな」「やってみよう」という気持ちになる。

上手くいかなかった時も立ち直る支えをしてくれる。そしてまたやってみようと思える。

そんな流れで、話せる人を増やすことができました。

きっと他にもPeerには多くの可能性が秘められているのではないかと思います。

そして、ピアサポートの大きな効果を実感した出来事がもう1つあります。

 私は、精神保健福祉士の取得を目指しています。一度は実習に行き、実習の中では話せていてクリアできたものの、場面緘黙の苦労があることで、その後の実習には行かせてもらえませんでした。

この時、「先生と話せないと精神保健福祉士にはなれないのかな」「向いていないのかな」と葛藤し諦めかけた時があります。

そんな時に支えてくれたのが仲間の存在でした。

同じ緘黙の苦労を持つ仲間、当事者の苦労もありつつ現場で働く人たち、共に挑戦してくれた仲間、OTさんを含めた心に居る仲間、何度か大学に呼ばれながらも応援してくれていた家族。 沢山の仲間の存在で、力が湧いてきて、希望を感じ、「私は諦めたくない」「やりたい」と立ちあがることが出来ました。

 今は、「当事者のまま、精神保健福祉士の習得」「苦労を活かしながら活動すること」「自分自身がして貰ったことを出会う人に返していくこと」を目指しています。私と同じ緘黙の仲間達が、様々な苦労がある仲間達が、やりたいことを諦めず希望を持ち続けられるように、私の苦労の経験が社会の生きやすさや仲間たちの希望・力になれば嬉しいです。

それが、私が今1番やりたい・ときめくピアサポート(当事者の経験を活かすこと)です。

けれど、きっとそれができた時、ピアサポートに力を貰い、元気を貰い、希望を受け取るのは、誰よりも私自身なのかなと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


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